歯の神経を残すために

歯の神経を残すために

歯の神経を取る理由をご存知ですか?

歯の神経は健康な状態であれば歯の寿命を長く保ってくれます。分かりやすくいうと健全な神経がある歯の方が神経を取った歯よりも長持ちするのです。

ではなぜ歯の神経を取るという治療法があるのでしょうか。神経があった方がいいのであれば、神経を取るなんてことはナンセンスに感じると思います。

根の治療についてのページで説明してありますが、我々歯科医師は、歯の神経及び血管の複合体である歯髄に感染がどの程度起きていて、歯髄の炎症がどの程度か、を根拠として神経を残すのか、取るのかを診断します。

この図で左から3つ目までの「健康」と「CO」、「C1」の状態であれば、虫歯が原因で神経を取ることはまずありません。

ちなみに「CO」は「シー、ゼロ」ではなく「シー、オー」です。Caries Obsavationの略で、虫歯の経過観察歯のことです。

一番判断が分かれるのが「C2」の時期です。厳密には「C2」の時期は何種類かあります。

また、感染が「体内」に及んだのか、「表層のみ」なのかで考えると上のような線が引けます。外胚葉由来のエナメル質が突破された段階で、象牙質ー歯髄複合体と言う体内へ感染が波及したと考える説もあります。

こう考えると「C2」の時期はとても特殊な時期だと言えると思います。しかも厄介なことに、初期の「C2」では痛くありません。痛くなった「C2」はもう「C3」に近い状態なのです。と言うことは、

初期の「C2」は自分では「色、舌触り」以外に気づくことができないのです。ここに検診することの意義があります。

そして、実はこの時期にどのような考え方で、どのような環境で、どのような道具、材料を用いて対応するかで神経が残せるかどうかが決まると言っても過言ではありません。

今、根の治療で先進的なアメリカでは、根の治療をどうやるのかではなく、そうなる前に歯髄をどうやって残すかを考えようと言う動きもあります。根の治療で散々苦労するのであれば、根の治療に至らないように(日本的言うと、神経を取らずに済むように)その前で少し苦労してでも神経を守りましょう、と言う考えです。

当院もこの考えに則り、治療として根の治療もきちんとして行いますが、まだ救える歯の神経に関してはなるべく残して行きたいと考えております。

詳しくは当院までお問い合わせください。

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