「歯をかぶせる」治療について 〜機能面より〜
「歯をかぶせる」治療について 〜機能面から〜
銀歯にしますか?白いものにしますか?
歯医者で虫歯治療を経験された方はよく聞くフレーズだと思います。
歯は口腔内に出ている部分(口を開けた時に見える部分、専門的にいうとエナメル質)は全て体の外と体の中を隔てて、体内を守る役割があります。皮膚や粘膜と同じです。物理的バリアとも言われますが、菌やウィルスが体内へ侵入するのを防御する役割も持っています。
虫歯でこの防御層でもあるエナメル質が破壊されると、体内の構造である象牙質が露出することになります。これは皮膚が切れた時に中が見えているのと同じ状態です。
そのため虫歯という感染してしまった部分を取り除いた後に、防御層を修復する必要が出てきます。皮膚は切れてしまっても、カサブタが出来て治ります。歯のエナメル質は自然治癒しません。だからなんらかの人工物で防御層を修復しないといけないのです。
防御層として大切なことは、残っているエナメル質や歯周組織と調和して、今まであったエナメル質と同じように隙間なく塞いでくれることです。
そのため
1、どれだけ密着するか
2、被せ物詰め物と残っている歯との境界がどれだけ段差無くぴったりしているか
が必須条件となってきます。そして口の中という湿っていて、生暖かくて、噛むという力がかかる組織であるため
耐久性(水を吸わない、劣化しづらい、エナメル質に調和した硬さを持つ)
これもとても大切な条件です。また、歯は防御層としてだけでは無く、咀嚼機能を担う大切な器官です。ですから、以上の条件に加えて
咀嚼機能をきちんと回復できる形態、素材である
ことも譲れない条件になってきます。
さらに口の中ではの形態や位置は日々刻々と変化していきます。そして歯は噛むたびに動きます。
口腔内で他の歯と同じように変化してくれる
時間の中で必要なことになります。つまり、治療が終わってからも口の中でその被せ物自体が勝手に変化し続けてくれる素材でないと、これは起こりません。
大切な条件がこれだけある中で、被せ物、詰め物の素材を決めるので、単純に、「白か銀か」という色だけでは決められないのがお分かりいただけるかと思います。
もちろん色や見た目も大切です。その場合は白くて上に書いたような条件を満たす被せ物を選択すれば問題ありません。
当院は被せ物を作り、歯にかぶせるまでの過程においてもかなりこだわりを持って治療を行っております。
詳しく知りたい方はご相談ください。