当院における治療の基本的な考え方、流れについて解説しています。
治療と予防について
歯科では長らく、「痛くなったら治療をする」という形が主流でした。保険診療の基本的な考え方の根底にも「患者の求めがあった場合治療をする」というものが未だにあります。
しかし、その考え方が規定された時代から長い年月が経ち、歯科の病気の成り立ちや治療方法、予防方法などが学問の進歩とともに大きく変わってきました。
令和の時代に入りその流れは加速しているように感じます。最新の研究ではアルツハイマー型認知症と歯周病菌の関連が発表されました。糖尿病や動脈硬化など全身疾患が歯周病と関連していることも徐々に明らかにされてきています。もちろん歯周病を治せば全て治るというわけではありませんが、その共通キーワードが「慢性炎症」です。
歯周病も慢性炎症です。そのコントロールに対しては定期的な歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。全身疾患疾患の予防としても大切なのが実は歯科医院でのケアなのです。保険でできる歯周病治療は、治療としての限定的要素が強いため、長期的に見た全身疾患の予防と口腔機能の維持という、今の時代に当たり前とされている手法とは相容れないものとなってしまっております。
当院では保険診療に人を当てはめるのではなく、その方が求める事にできる限り答えられるように、完全オーダーメイドの治療と予防を提供する方針でおります。保険診療ではやり方と使う材料が決まっており、そこに個人の希望や事情を挟むことはとても難しい制度です。我々は社会のルールの中で生活しておりそれを守ることは国民の義務だと考えております。残念ながら、保険の範囲内での治療は最低限の処置に限定されてしまうのが現実です。
また、以下に提示した治療方法は、あくまでも方法、やり方になります。その方法がその方に適応なのか否かは、その前に行う検査とそこから導き出される診断によって決まります。「インプラントをやってほしい」という来院動機はよくあるものですが、それはその方には無理なことである可能性もあります。無理を通して行ったことに決して良い結果はありません。
当院でのもう一つの方針として、根拠に基づいた治療を行う、というものがあります。人々は歯科医院に何を求めて来院されるのでしょうか。痛みを取るだけで良い人もいれば、きちんと治したい人も多くいらっしゃいます。歯を治す根拠は、歯の機能やそれに付随する口腔の機能を回復、維持、向上させることにあります。そのため、全ての方の口腔機能をきちんと評価し、咀嚼、発音、嚥下、審美という口腔機能を治す、維持することを目標に治療計画を立てております。その結果、全身の健康維持に貢献する事が少しでもでき、これからの人生100年の時代に最後まで健康で、口から食べる喜びを享受できることにお役に立てたら、歯科医師冥利につきると若輩ながら感じております。
具体的な治療に関しては以下を参照して下さい
1、「根の治療」について
抜髄、神経を取る治療、根の治療などいろいろ呼び方がある根管治療について。
2、「歯をかぶせる」治療について 〜機能面より〜
銀歯をかぶせるのか、白い詰め物にするのか、その分岐点と考え方
3、「歯をかぶせる」治療について 〜機能と審美の観点より〜
審美面で優れたかぶせ物の利点と欠点、選択基準など。
4、「部分入れ歯」について
5、「総入れ歯」について
6、インプラントについて
7、「顎が痛い!」「口が開かない!」 顎関節症について
歯周病について
歯周病の治療について
掃除、歯石取り、スケーリングについて
痛くないレーザー
大人の矯正
子供の矯正
ナノケアとは?
削らずに白濁を改善