掃除、歯石取り、スケーリングについて
掃除、歯石取り、スケーリングに関して保険適応のものとそうではないものがありますので、ここで詳しく説明します。
保険診療というもののシステムについて
保険診療は国民皆保険のもと、医療を3割負担で受けることができる医療の現物給付制度です。
ある病気があってその治療が必要と診断した場合に治療を行いその費用が3割負担に軽減されるというものです。
「掃除、歯石とり」は昔から多くの歯科医院で保険適応で行われてきた感がありますが、実際その時は歯周治療を行なったので保険診療で算定、請求しているのだと思われます。これは歯周病という病気に対しての治療であり、決して「掃除、クリーニング」ではありません。
保険診療は、病気だから治療をする、と言うものです。
そうなると
まずあなたは歯周病ですか、そうではありませんか、これを検査で調べます。
その結果あなたは歯周病、歯肉炎であるから、治療である歯石取りを行いますよ。と言うことで治療である歯石とりを行います。
そしてあなたの歯周病と言う病気が治ったのか、治ってないのかを判断するために再評価の検査を行いますよ
と言う流れになってきます。
歯周病の評価に絶対必要であるのが、レントゲン検査、歯周基本検査(歯茎の検査)です。そして。治療後の再評価で再度歯周基本検査を行うことが避けられません。極端なことを言うと歯周病の検査で、歯周病ではないと言う結果が出た場合はその治療(歯石とり)はできません。内科に行って「なんともないですよ」と言われてそのまま帰ってくるのと同じです。
さらに言うと、保険適応の場合、歯周病の治療としての歯石取りなので、汚れを取り除き美しく磨き上げると言った掃除の概念とは大きく異なります。超音波で振動する金属を歯に当てて歯石を取るわけです。新車のボディーに鍵が当たっても傷がつくのに、それが高速で振動していたら傷だらけになってしまいます。しかし、これが治療として歯石を取る時のやり方になります。その結果、傷だらけとなった歯の表面はザラザラしているので、歯石がさらにつきやすくなり、着色もしやすくなります。結局歯周病は良くなったかもしれないが、歯はボコボコと言う状態になりかねません。そしてすぐ着色するようになってしまい、また歯医者に行って歯を傷つけて、、、の負の循環に落ちいてしまいます。
また「ヤニとり」は保険ではできません。なぜならばヤニの付着や歯の着色は歯周病の原因ではないからです。