削らずに白濁を改善

歯の白濁、ホワイトスポットの改善

従来は再石灰化を期待できない白濁や先天性のホワイトスポットは削ってCR(コンポジットレジン)で充填する、もしくは削ってジルコニアなどの審美性の高いかぶせ物にするしか方法がありませんでした。当院で採用しているこの改善方法は、削らずに処置できるのが大きなメリットです。詳細はお問い合わせください。

ホワイトスポットとその治療

白斑とも言いますが、は永久歯の歯冠の形成期になんらかの原因で形成不全が起こったものです。似たような事象で乳歯の外傷や感染などによるの後天的な形成不全もあります。エナメル質はそもそも大切な防御層なので、形成不全が表層にまで達しているのか、それとも表層は正常で内部のみの形成不全なのかで対処方法が変わってきます。

表層にまで達する形成不全は現段階で歯のバリアとしての機能が不完全ですので、治療介入の時期は早い方が良いでしょう。また、内部のみのものであれば少し様子を見てもいいかもしれませんが、歯の強度や見た目の問題、表層にある健全な層がむし歯や力によって破壊された時はその進行がとても早いと予想されるので、心配であればこちらも早いに越したことはないと思います。

さて、具体的な治療方法ですが、そもそも歯科における治療とは基本的には人工物による機能回復になります。ですから「白斑の治療」というと白斑が治るイメージですが、治ったわけではなく人工物で置き換えたり補強したりする過程で白斑が「見えなくなる」というのが本質です。
当院で行う白斑の治療としては以下の3つが考えられます。

1、削らずにリカルデントの浸透を促す治療をすることで内部からの再石灰化を促進する方法
2、削らずに内部に樹脂を浸透させ白斑の隙間に浸透させ固める方法
3、削ることで白斑を取り除き、樹脂で埋める方法

1、が一番治療的要素が強い方法で、再石灰化がベースにあるので、歯の構造を回復させる方向に作用するため、歯そのものを大切にしたい方には適していると思います。ですが、深度によっては白斑が残ります。また、消えるというよりは薄くなることが多いです。欠点はこのように、審美的改善が完全ではないこと、時間が年単位でかかること、です。

2、は主に審美的改善の希望が強いものの、削るまではちょっと、と思う方に適しています。欧米では削る前にやってみる価値がある方法としての認知されています。ですから、これでうまくいかなかったら削って詰めましょう、というのが必ず裏にあります。これで消えたら良かったね、削る時期が少し先になって良かったね、という位置付けですので完全な審美改善を求めるものではありません。また、これは確かに削りませんが、歯内部に樹脂を浸透させますので一回限りの方法でもあります。そしてその劣化はいつか必ず訪れます。その時は削って取り除いて詰めるしか方法はありません。当院では自費診療で1歯20,000円(税別)でやっております。

3、に関しては一般的なCR充填です。

綺麗にしたいという審美面での改善の要望に対しては、「3」、の充填で、かつ硬度の高いものをきちんと詰める充填が実は一番早くて確実で長持ちします。ただ、CR充填は技術の差が大きい治療法で、かつ、材料の吸水による劣化、接着面の剥離により引き起こされる2次う蝕は後々出てくる可能性があります。白斑治療でむし歯になったら本末転倒なので、リカルデントによる歯質の強化も並行して行うと虫歯のリスクは下げられます。

また、見た目ではなく歯の温存や、現状よりも少しでも状態を良くしたいという場合は1、の方法がいいかと思います。子供であれば幼若永久歯が成熟していく時期でもあるので、時期的にも適していますが、成人の場合は効果が薄い可能性があります。

ホワイトスポットに対して、どのように改善したいのかと言った要望や、今の口腔内の状況によって適していると思われる方法は千差磐越であると言えますので当院での基本的な考え方であるものの、全ての方に当てはまるものではありませんのでご注意ください。

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